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病気Q&A -その他-

睡眠時無呼吸症候群Q&A

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは呼吸停止(無呼吸)や弱い呼吸(低呼吸)が寝ている間に繰り返し起こっている病気です。自覚症状としていびきや昼間の眠気、熟睡感がない、起床時の頭痛などがあり、さまざまな生活習慣病、心臓疾患と密接に関係しています。

SASは特殊な疾患ではなく、日本では潜在的な患者さんが約200万人、治療が必要な患者さんは約30万人いるといわれています。

睡眠時無呼吸症候群

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①具体的な症状を教えてください


眠っているとき・・・
● いびきをかく
● 息が止まる
● 呼吸が乱れる
● 息が苦しくて目が覚める
● なんども目を覚まし、トイレに行く
日中、起きているとき・・・
● しばしば居眠りをする
● 記憶力や集中力が低下する
● 性欲がなくなる
● 性格が変化する
● 体を動かすときに息切れする


②どのような理由で無呼吸が起こるのですか?

無呼吸は大きく2つのタイプの分けられます。

閉塞型:上気道の完全または部分的な閉塞によって生じるタイプ。

太っている人や小さい顎、咽頭腔のスペースが小さい人(解剖学的な理由)、もしくは飲酒や睡眠薬などによって筋肉がゆるむ(機能的な理由)ことによって引き起こされます。

中枢型:呼吸中枢(呼吸を調節している脳の司令塔)の機能異常によって生じるタイプ。

一般成人ではほとんどみられることはなく、心不全の患者さんに起こります。

 

③診断のための検査はどのように行なうのですか?

簡易検査

簡易検査

自宅で行なえる“簡易検査”と入院して行なう“PSG検査”があります。

当院では簡易検査を行なっており、その結果によっては精密検査が必要と判断した時にはPSG検査を行なえる医療機関を紹介しております。


④治療方法は?

睡眠時無呼吸症候群の治療は重症度や自覚症状により異なります

  • 生活習慣の改善(減量・禁煙・禁酒など)
  • 口腔内装具(マウスピース)
  • 経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)

などがあります。

病気Q&A -心臓疾患 編-

心臓疾患についての一般的な疑問について質問にお答えします。

急性心筋梗塞

心臓の筋肉(心筋)を栄養する血管である冠動脈が閉塞することで時間経過とともに心筋が壊死していく疾患です。発症とともに不整脈や心筋の破裂などさまざ まな合併症を併発するため突然死の原因となりえ、少しでも早い治療が必要となります。最近では食生活の欧米化などの影響で若年化が進んでおり、30や40 才台での発症も珍しくなくなりました。

狭心症

心臓の筋肉(心筋)を栄養する血管である冠動脈が狭窄することで発作的に前胸部の締め付けられるような、圧迫されるような痛みを自覚する疾患です。

慢性心不全

慢性心不全とは慢性的な心筋障害が原因で心機能が低下し、体中の臓器に十分量の血液を絶対的、相対的に拍出することができない状態をいいます。 あらゆる心疾患によって引き起こされる可能性がありすべての心疾患の終末的な病態ということもできます。

心房細動

加齢とともに増加し、70歳代の5%、80歳代の10%程度の割合で起こる比較的起こりやすい不整脈です。日本国内に約130万人いるとされており、若年者に起こってもそれほど珍しいものではありません。

急性心筋梗塞

①急性心筋梗塞になるとどんな症状がでるのですか?

典型的には前胸部を中心とした“締め付けられるような痛み”もしくは“押されつけられるような感じ”が持続し、冷汗や吐気などを伴います。その症状は冠動脈が閉塞した場所より先の心筋が壊死しきってしまうまで継続します。痛みの程度は我慢できないほどではない強さであることも少なくありません。なかには胃(みぞおちあたり)の痛み、歯痛、肩が重たくなるなど非典型的症状で発症する場合もあります。

※糖尿病の人では神経障害のため無症状で発症することもあります(痛みを感じる神経の障害のため)


②冠動脈はどうやって閉塞するのですか?

心筋梗塞が発症する土台は高血圧・脂質異常症・糖尿病といった生活習慣病や喫煙などを原因とした動脈硬化にあります。動脈硬化を起こした血管は上図の一番左の絵のように粥種(プラーク)といわれるさまざまな物質が蓄積されたコブのようなものができます。粥種の一部が破たんする(真ん中の絵)とその部位に血栓(血のかたまり)を形成するようになり、その血栓が冠動脈を完全に閉塞してしまい(一番右の絵)急性心筋梗塞が発症します。血栓が形成される一連の流れはほんの一瞬で起こるため心筋梗塞の症状は突然自覚するわけです。


③急性心筋梗塞を疑うような症状がでたときにはどうしたらいいのですか?

ためらわずにすぐ救急車を呼んでください!急性心筋梗塞は冠動脈が閉塞して徐々に心筋が壊死していく病態ですから1分でも早く閉塞した血管を再開通する必要があります。壊死してしまった心筋が元に戻ることはありません、急性心筋梗塞は時間との勝負です。

また、他人が急性心筋梗塞を疑うような症状を訴えたときには救急車を呼ぶのと同時に可能ならAEDをいつでも使えるように用意してください。急性心筋梗塞を発症すると致死的な不整脈を生じる可能性がありますので意識がなくなった場合などはすぐにAEDを装着しましょう。

冠動脈造影検査(正常血管)

冠動脈造影検査(正常血管)


④急性心筋梗塞はどうやって診断するのですか?

多くの場合は自覚症状と心電図で診断可能です(補助診断として血液検査や心臓超音波検査も行ないます)。冠動脈のどの場所がどのように閉塞しているかを判断するためには冠動脈造影検査を行ないます(写真のように冠動脈を評価することが可能です)。


⑤治療法は?

可能な限り早期に閉塞した血管を再開通させて心筋に血流が流れるようにすることが最も重要です。その方法として一般的に薬剤(血栓溶解剤)と心臓カテーテル治療(経皮的冠動脈形成術)がありますが、日本では(高槻市でも)カテーテル治療を行なうことが可能な施設が数多くあるため多くの場合心臓カテーテル治療が行なわれます。


⑥急性心筋梗塞はどうすれば予防できますか?

動脈硬化の主な原因となる肥満・タバコ・不規則な生活・ストレスなどからの離脱や高血圧・脂質異常症・糖尿病といった生活習慣病のコントロールがなによりの予防法となります。


⑦心筋梗塞は治りますか?

壊死した心筋が元どおりになることはありません。急性期をのりきったあとも生涯にわたって薬物療法を継続していく必要があります。下記に代表的な薬剤を示します。

抗血小板剤(バイアスピリンなど) ⇒血栓をつくらないようにする薬剤

心筋保護剤(ACE阻害剤やβ遮断薬など) ⇒ダメージをおった心筋を保護する薬剤

HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン) ⇒コレステロールを低下させると同時に粥種を安定化させて破たんすることを予防する薬剤


⑧森内科で急性心筋梗塞の治療はできますか?

急性心筋梗塞の治療は⑤でもありますようにできるだけ早い血流の再開を得ることであり心臓カテーテル検査や治療を行なう設備の持たない当院では残念ながら治療することはできません。時にあまり強くない胸の症状のために当院を来院されそのときに急性心筋梗塞と診断することもありますがすぐに大阪府三島救命救急センターなどの心臓カテーテルの可能な施設を紹介しております。尚、急性期をのりきって退院後の治療(陳旧性心筋梗塞)は行なっておりますのでいつでもご相談ください

狭心症

①狭心症と急性心筋梗塞の違いはなんですか?

“狭心症”

⇒粥腫のため血管が狭窄し血流不足になる(心筋は壊死しない

“急性心筋梗塞”

⇒粥腫が破たんして血栓が形成され血管が閉塞心筋が壊死する

狭心症では血管の狭窄のため心筋に完全に血流が流れなくなるわけでなく、あくまで血流不足の状態に陥ることで胸痛などの症状が出現します。


②狭心症の症状の特徴は?

労作によって心臓に負担がかかり心筋は普段より多い血液を必要とするわけですが、血管狭窄があることで相対的に血流不足となり狭心症の症状が出現します。典型的な症状としては前胸部を中心とした“締め付けられるような痛み”“押さえつけられるような感じ”ですが、急性心筋梗塞とは異なり数十秒~数分で消失します。冠動脈を拡張する薬剤(硝酸剤)が効くのも特徴の一つです。


③血管が痙攣するタイプの狭心症(冠攣縮性狭心症)とは?

冠動脈が痙攣すること(スパズム)で狭窄をきたしたのと同じ状態になり血流不足のためおこる狭心症のことで“冠?縮性狭心症”もしくは“異型狭心症”といいます。特徴として夜間や明け方などの比較的ゆっくりしているときにおきやすく、多くの場合硝酸剤は著効します。ただし中には痙攣が強すぎて冠動脈閉塞までいたり急性心筋梗塞となることもあります。基本的には薬物での治療となります。


④どうやって診断するのですか?

自覚症状があるときに心電図をすると右図のようにST低下という特徴的な変化がみられることが多く診断は比較的容易です。しかし都合よく受診時に症状があることもあまりないために、マスター2段階試験、トレッドミル、エルゴメーターなどによる運動負荷心電図(故意に心臓に負担をかけて前後の心電図でST低下がでるかどうかみる検査)を行ないます。

その他には心筋シンチ、冠動脈CTや冠動脈造影検査などが診断のために行なわれます。特に冠動脈CT検査は近年のCTの性能の向上から少ない侵襲でかなり明瞭に冠動脈が描出できるようになっております。典型的な場合は自覚症状のみで診断可能であり、当院ではマスターダブルと合わせて診断を行ない必要時には心臓カテーテル検査の設備をもった医療機関への紹介を行なっております。


⑤治療法は?

狭心症の診断がつくと冠動脈の狭窄の部位、程度の評価のため一般的には冠動脈造影検査を行ないます。そのうえで薬物療法心臓カテーテル治療(経皮的冠動脈形成術)バイパス手術の中から最適と思われる治療法が選択されます。


⑥狭心症の発作がでたときにはどうすればいいのですか?

<診断がすでについている人>

⇒いつもと同じくらいの症状で硝酸剤の舌下や安静にて症状が治まる時は次回受診時に主治医に報告してください。ただしいつもよりも持続時間が長く、硝酸剤の効果がないときは救急車を要請してください。

<診断がついていない人>

⇒その時に症状が治まってもできるだけ早めに医療機関を受診してください。症状が頻回におこったり、いつまでも治まらない場合には救急車を要請してください。

※一般的に狭心症は数十秒~数分で症状は消失します。それ以上持続する場合、硝酸剤の効果がない場合、安静時にも出現する場合は重症の狭心症もしくは急性心筋梗塞の可能性があるため必ず救急車を要請してください。


⑦予防法は?

全ての動脈硬化を原因とする疾患と同様に動脈硬化の主な原因となる肥満・タバコ・不規則な生活・ストレスなどからの離脱や高血圧・脂質異常症・糖尿病といった生活習慣病のコントロールがなによりの予防法となります。

慢性心不全

①どんな症状が出現しますか?

労作時呼吸困難、全身倦怠感、息切れ、易疲労感、夜間の咳や呼吸困難、浮腫などが主な症状で、それ以外にも食思不振、便秘、頭痛など非特異的な症状が起こることもあります。ただし高齢者の場合にはこのような症状がなかなか出現しないこともあり注意が必要です。


②慢性心不全の原因はなんですか?

心筋梗塞や狭心症、心筋症、弁膜症、不整脈などのあらゆる心疾患や高血圧によるものが多いですが、中には甲状腺疾患、糖尿病、サルコイドーシス、栄養障害、薬剤などといった全身疾患や外的因子がその原因となることもあります。


③診断はどのように行ないますか?

自覚症状、胸部レントゲン(↓写真参照)や心エコーといった画像所見、BNP/NTproBNPなどの血液検査にて診断します。

BNP(NTproBNP)とは?

⇒心臓の負担の程度を評価する血液データです。高値であればあるほど心臓に負担がかかった状態であることを示しており、大まかな基準としてBNP(NTproBNP) 100(500)pg/ml以上で心不全の疑いが強く、BNP(NTproBNP)
200(1000)pg/mll以上でかなり心臓に負担がかかっていると考えます。BNPとNTproBNPのデータ的な意味合いはほぼ変わりありませんが測定方法がやや異なり森内科ではNTproBNPを測定することが多いです。


④心不全は治りますか?

生活指導・薬物療法にてコントロールする疾患であって完治することはありません。ただし適切な治療を行なっていれば多くの場合日常生活を支障なく過ごせます。

当院では循環器専門医による専門的な治療を行なっております。


⑤慢性心不全と診断されたときに日常生活で気をつけることは?

体重測定:短期間での体重増加は体液貯留の可能性を表しており心不全増悪の可能性が高くなります

血圧測定:高血圧はダメージのある心臓にさらなるダメージを与えるため十分に血圧を下げることが必要です

塩分制限:軽症心不全であれば1日塩分7g以下、重症心不全であれば1日3g以下が目標になります

内服加療:内服薬の中には中断することでリバウンドのように急激に心不全が悪化することがありますのできめられた内服は毎日しっかりと飲んでください

水分制限:体に入った水分はすべて心臓が処理しなければなりません。軽症心不全では水分制限は特に必要ありませんが重症心不全の方は基本的には水分摂取量を減らし心臓の負担を減らす必要があります。ただし体の調子が良好で体重が減ってきているような場合には水分摂取量を増やしても大丈夫です(医師に相談してください)。


⑥血圧が高いわけではないのに降圧剤を処方されているのですが大丈夫ですか?

多くの心不全薬(心臓への負担を減らす薬剤)は同時に降圧効果も持っています。血圧が高くないのに降圧剤が処方されている場合、降圧効果というより心不全に対して処方されているので安心してください。


⑦慢性心不全の薬物治療について教えてください

代表薬(森内科):イミダプリル塩酸、スパシオール

血管拡張作用とともに心臓にストレスを与えるホルモンを抑制することで心臓への負担を軽減します。

※導入初期に腎臓機能の増悪やカリウムという電解質の上昇(カリウムの上昇は不整脈を惹起します)をきたすことがあり内服開始後は血液検査による腎臓機能やカリウムのCheckが必ず必要です。

代表薬(森内科):ロサルタンカリウム、ディオバン

基本的にACE阻害剤と大きな違いはありませんがACE阻害剤の副作用の1つである空咳を起こしにくいです。

代表薬(森内科):アーチスト、ウェルビー

脈拍数を抑えるとともに(ACE阻害剤と同様)心臓にストレスを与えるホルモンを抑制することで心臓への負担を軽減します。

※長期的には心不全に対し非常に効果のありますが、内服開始初期は心不全が悪化する可能性もあり少ない量から慎重に増量していく必要があります(特に重症の心不全の場合)

代表薬(森内科):ラシックス、ダイアート

尿量を増やす薬剤です。体内の水分量を減らすことで心臓の負担を軽減します。

心房細動

①心房細動とはどのような不整脈ですか?

心房細動は心房がけいれんするように小刻みにふるえて規則正しく心房が収縮できなくなった不整脈です。心電図では通常心拍(脈)はほぼ規則正しくうちますが、心房細動になるとその規則性が失われ上図のように波形がバラバラ(不規則)になります。

発作的に心房細動を繰り返すパターン(発作性心房細動)と常に心房細動のパターン(慢性心房細動)に大別されます。


②どのくらいの患者さんがいますか?

心房細動は加齢とともに起こりやすくなる不整脈で年々その数は増えていっています。今後高齢化が進むとともに2030年頃には日本で100万人を突破するといわれています。


③どのような症状がありますか?

無症状であることが多いのですが、動悸や胸痛、胸部圧迫感、息苦しさなどの症状を自覚することもあります。


④心房細動になると何が困りますか?

これは大きく二つに分けて考えてください。

A.心房細動そのものよるもの

B.塞栓症:代表的なものとして脳梗塞

A.②でも説明しているように心房細動によってさまざまな自覚症状が出現します。心機能が悪い人の場合は心不全の増悪の可能性があります。

B.心房細動になると心臓内での血液の流れによどみができるため心臓内に血栓を形成しやすくなります。この血栓が遊離して心臓外にとんでいくことで塞栓症 (血栓が血管を閉塞すること)を発症する可能性があります。代表的な疾患としては脳梗塞(脳血管が血栓によって閉塞することによって発症する)があります。(左図参照)


⑤治療法は?

1. 脳梗塞予防

2.心房細動そのものへの治療

        A.薬物治療

        B.アブレーション

1.多くの場合は脳梗塞予防のためにワーファリンやプラザキサといった血栓形成を抑制する薬剤を内服します。

2.心房細動は頻脈になることが多く脈拍を抑制する薬剤や抗不整脈薬を使用します。薬がなかなか効かない場合などにはカテーテルを使用したアブレーション治療を行なうこともあります(アブレーションを行なう場合は当院より専門施設に紹介する形になります)。

当院では自覚症状の有無、年齢、心疾患の有無、合併症などを考慮した各人にあった治療を行なっております。

病気Q&A -生活習慣病 編-

生活習慣病についての一般的な疑問について質問にお答えします。

動脈硬化とは

動脈硬化とは、本来しなやかな動脈(左絵)が「硬くなり、壁が厚くなる」ことを言います。血管の壁が厚くなると、血管の内側がもろくなって粥腫(プラーク)ができ、血管の中がせまくなったり(中絵)、詰まったり、粥腫がはがれて血液中をただよい細い血管を詰まらせたりします(右絵)。
生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病)は動脈硬化を促進する因子であり“生活習慣病コントロール=動脈硬化の進行を防ぐ=心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の予防”と考えればよいでしょう。

高血圧症

「サイレント・キラー」とも呼ばれ、慢性化すれば血管に大きなダメージ(動脈硬化)を与えます。年齢とともに血圧は上がる傾向にあり、2006年のデータでは全国で約4,000万人が罹患しており成人の2.6人に1人が高血圧という計算になります。

       

脂質異常症

以前は高脂血症と呼ばれていましたが最近では脂質異常症と名称がかわりました。血液検査上
LDLコレステロール≧140mg/dlもしくは
HDLコレステロール<40mg/dlもしくは
TG(中性脂肪)≧150mg/dl
をもって脂質異常症と診断されます。

糖尿病

膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの作用不足や分泌低下が原因で慢性的に血液中の血糖値が高くなる病気です。過食・運動不足におちいりがちの生活環境への変化から年々その数は増加しています。

高血圧症

①血圧が高いと自覚症状はあるのですか?

極端に高すぎたり低すぎたりしない限り基本的には自覚症状はありません。正常範囲の血圧にもかかわらずふらつきなどの自覚症状がある場合には長年の高血圧のため体が高い血圧になじんでしまっている可能性があるのでゆっくりと血圧をさげていく必要があります。


②家で血圧を測定する(家庭血圧)必要がありますか?

最近では病院や医院などで測定した血圧は高いが家で測るとまったく高くない“白衣高血圧”やその逆に病院や医院での血圧は低いが家では高い“仮面高血圧”などがあることが知られています。一昔前は家庭で血圧測定をすることはなかなか難しかったのですが、近年は様々な血圧測定器が比較的安価で購入できますので当院では血圧手帳による家庭での血圧管理をお勧めしています


③血圧はどこまで下がればいいのですか?

降圧の基準は高血圧ガイドラインに記載されています(下記表参照)。ガイドラインでも家庭血圧が重視されており当院では可能な限り家庭血圧を指標とした治療を心掛けています


④もう83歳なんですが血圧は高くて当たり前ではないのですか?

高齢であればあるほど血管が固くなって血圧は上昇しやすいのは確かですが、80歳以上を対象とした臨床試験(2008年HYVET)では血圧を下げることで下げない場合と比較して脳卒中が30%、心血管死が23%、心不全が64%、全死亡が21%低下するという結果が得られました。

当院では年齢や他の病気があるかないかなどを考慮した治療を心掛けています。


⑤血圧を下げる薬に強い、弱いはありますか?

血圧を下げる薬(降圧剤)には多くの種類があり、ある薬が飛びぬけて血圧を下げやすいということはなく、また特別に副作用をおこしやすいということはありません。


⑥降圧剤にはどのような種類がありますか?

降圧剤には大きく分けると6種類ありますが重要なのはどの降圧剤を使おうと目標値まで血圧を下げることです。それぞれの降圧剤にはそれぞれの特徴があり個人個人に合わせた処方を血圧値と照らし合わせながら決定しています(表参照)。

※ACE阻害剤≒ARBと考えてください

脂質異常症

①脂質異常症の原因はなんですか?

  • 生活習慣の乱れ(食べ過ぎ、肥満、運動不足、アルコールの摂取過多など)
  • 遺伝的要因(家族性高コレステロール血症)
  • 加齢
  • 他の病気から二次的に発症するもの

などがあげられます。特に女性の方は閉経後にLDLコレステロールの上昇を抑えてくれるエストロゲンという女性ホルモンが低下するため健康診断などで定期的にチェックしておきましょう。


②総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロールは何が違うのですか?

LDLコレステロール=“悪玉” コレステロール

HDLコレステロール=“善玉” コレステロール

総コレステロール=LDL+HDL+その他のコレステロール

動脈硬化の危険性が増すのは“LDLコレステロールが高いこと” “HDLコレステロールが低いこと”が主な原因であるため最近では総コレステロール値はあまり重要視されなくなってきました。


③具体的にどのくらいの値まで下げればいいのですか?

他に動脈硬化の危険因子をどのくらいもっているかによって治療の目標値がかわります。

糖尿病


①甘いものばかり食べていると必ず糖尿病になるのですか?

糖尿病の発症には遺伝的要因と肥満、過食、運動不足、ストレスなどの環境的要因が引き金となって発症すると考えられています。もちろん甘いものを食べすぎたらすべての人が糖尿病になるわけではありませんが、その可能性は高くなりますので食べ過ぎはお勧めできません。


②境界型糖尿病とはなんですか?

糖尿病とまではいえないが、完全に正常でもない状態をいい、糖尿病予備軍と考えればよいと思います。正確に診断するには75gOGTT(糖負荷試験)という検査をする必要があります。近年では早い段階の糖尿病(食前の血糖値やHbA1cは上昇していないものの食後血糖が非常に高い状態のため一般的な検査では見逃されやすい)が動脈硬化性疾患の進行を促進することが分かってきており、その状態を早期に発見するためにも75gOGTTは非常に有用な検査です。


③糖尿病と一旦診断されたのですが治りますか?

一旦糖尿病と診断されたら治ることはありません。生活習慣を改善しつつ行なう食事療法と運動療法、それだけではコントロールできない場合には薬物療法を組み合わせて血糖コントロールを行なっていくことになります。糖尿病治療の目的は高血糖を抑えることにより合併症の発症や進行を防ぐことです。


④HbA1c(ヘモグロビンA1c)とはなんですか?

1~2ヶ月前の平均血糖値の指標です。血糖コントロールが悪ければ高値に、よければ低値になります。すでに糖尿病の診断がついている人は下の表が目標値の参考となります。


⑤治療法は?

まずは食事療法と運動療法が基本となります。それでもコントロールが得られない場合に薬物やインスリン自己注射を考慮します。



食事療法に関しては当院では栄養士による専門的な指導をお勧めしています。


⑥糖尿病の3大合併症とは?

糖尿病の合併症では細い神経や血管の障害としての三大合併症(眼症・腎症・神経症)が有名です。

☆眼症:眼底に出血や浮腫をきたしますが初期の段階では自覚症状がありません。糖尿病と診断された時は必ず眼科を受診しましょう。

☆腎症(腎臓障害):糖尿病による腎臓の障害はある程度進行してしまうともとどおりには戻りません(末期には透析に至ります)。早い段階で発見することで腎臓障害の進行を防ぐことが大事であり、そのために当院でも尿検査で尿中微量アルブミンという項目を測定しております。

☆神経症(神経障害):両側の手先や足先にしびれ、痛み、異常感覚などの自覚症状が出現します。

糖尿病の患者さんはそれ以外にも動脈硬化性疾患などさまざまな合併症をきたしやすい病気です。

病気Q&A

内科の専門医である院長 森が病気の質問に答える”病気Q&A”のページです。
下記をクリックしてお読みください

 

予防接種

各種予防接種を受付しております。

随時受付しておりますが在庫がない場合もありますので事前に電話にてご確認ください

公費対象予防接種
(対象年齢に限ります)
麻疹・風疹混合(MR)ワクチン
2~4種混合ワクチン
日本脳炎
ヒブワクチン(アクトヒブ)
子供用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)
子宮頚癌ワクチン(サーバリックスorガーシダル)
公費対象外の予防接種 子宮頚がんワクチン(サーバリックスorガーシダル) 1回15000円(2019/10/1以降は税抜価格となります)(計3回必要)
肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス) 1回7000円(2019/10/1以降は税抜価格となります)
※2014年10月より一部公費

アクセス・地図

森内科

森内科は、阪急高槻市駅より南へ約1.2km、城南中学校の裏門の向かいにあります。
場所がわからない時はお気軽にお電話ください。
住所 高槻市城南町2丁目31-26
電話 072-676-5050
駐車場 7台

 

周辺地図

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JR高槻駅・阪急高槻市駅からバスで来られる方

春日町のバス停(国道170線沿い)から西へ徒歩5分
JR高槻もしくは阪急高槻市駅から枚方市駅北口行きの京阪バスをご利用ください
春日町のバス停からの案内は下記の春日町の交差点からのご案内をご参照ください。
城西町のバス停から徒歩8分
JR高槻南口もしくは阪急高槻市駅から4,17A,18,22,23系統の市バスをご利用ください
城西町のバス停からの案内は下記の高西交差点(府道16号線沿い)からのご案内をご参照ください

お車で来られる方

国道170号線(外環状線)春日町交差点からのご案内

春日町の交差点を西側(Daisoさんがある方)へ折れてください。
高槻駅方面からは右手に曲がることになります。

約400mほど直進しますと、左手に城南中学校が見えてきます。

城南中学校を超えた角を左手に入ったすぐのところに当院がございます。

高西交差点(府道16号線沿い)からのご案内

高西交差点を南側に行くとすぐに、回転ずしの長次郎さんが見えますので、その角を東へ折れます。(高槻駅から来る場合、左手方向に曲がります。)

約700mほど直進しますと、右手に城南中学校が見えてきます。

城南中学校の手前の角を右手に入ったすぐのところに当院がございます。

院長あいさつ・医師紹介

院長あいさつ

院長 森 敏純 平成24年5月より前院長森勝純のあとを引き継ぐ形で院長に就任することになりました森敏純です。

これまで心不全、心筋梗塞、不整脈といった「循環器の専門医」として、致死的な疾患に対応する「救急の専門医」として、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病を含む様々な「急性・慢性の一般内科医」として診療に携わってまいりました。急性心不全、急性心筋梗塞や脳卒中といった生命にかかわる病気は慢性的な病気を患者さん自身が理解することと適切な診療が施されることでかなり減らすことができると私は考えております。そのため当院では病気を皆様に理解していただくことを重要視(わかりやすく、かつ十分な説明)しながら、その人その人に合わせて“疾患のプロ”として最適な治療を提供していきます。

もちろん当院ですべてのことが解決できるわけではありませんので、必要に応じて連携している医療機関に適切に紹介いたしますのでどのような症状でもご相談ください。

森内科 院長 森 敏純

院長プロフィール
昭和47年6月22日生 かに座
平成11年3月  日本大学医学部卒業
平成11年4月~ 大阪医大附属病院(研修医)
平成13年4月~ 大阪府三島救命救急センター
平成15年6月~ 大阪医大附属病院循環器内科
平成16年6月~ 枚方市民病院循環器内科
平成19年7月~ 大阪府三島救命救急センター 医長
平成24年4月~ 同センター 嘱託医長
資格
総合内科専門医
日本内科学会認定医
日本循環器学会専門医
日本救急医学会専門医
日本心臓病学会所属
日本プライマリ・ケア連合学会所属

 

初めて来院される方へ

※重要 2022/7/19以降しばらくの間初診受付を中止中

森内科スタッフ

森内科森内科ホームページをご覧いただきありがとうございます。
当院は、JR高槻駅・阪急高槻市駅から南へ約1.5kmほどの位置にございます。

アクセスマップはこちら

高槻市にて地域の皆様の”生涯の診療アドバイザー”として、常に新しい医療知識を取り入れながら、病院ではなく診療所だからこそ提供できる細やかで安心できる医療を心がけていきます。

診療受付

診療時間

  • ※重要 2022/7/19以降しばらくの間初診受付を中止中
  • ・初めて受診される方は、必ず保険証のご持参をお願い致します。
  • ・お薬を当院でお出しする院内処方を採用しております(院外処方も扱っております。)
  • ・健康診断は予約制となりますので事前にお電話にてご予約ください。
  • ・予防接種は事前に在庫があるかお電話でお聞きください。

 

問診票ダウンロード

問診票ダウンロード

初診の方に問診票への記入をお願いしております。
当日、受付でもお渡しいたしますが、上記ボタンからも問診票がダウンロード できます。
ダウンロードしたものは、A4用紙で印刷していただき、ご自宅でゆっくりご記入ください。
当日、ご来院時に受付にお渡しください。

診療の進め方

受付

1 受付
保険証の確認、問診票をご提出いただきましたら、待合室にて順番までお待ちください。

診察

2 診察
お聞かせいただいた症状により、処置や検査を先に行うこともあります。ご不明な点がございましたら、ご遠慮なくお尋ねください。
治療法に関しては、医師からのご説明後、患者さんのご希望もおうかがいし、今後の方針を決定・ご説明いたします。
診察および検査が終わりましたら、待合室でお待ちください。

3 会計・投薬
診察のお費用の計算が終わりましたら、受付スタッフがお呼びいたしますので、受付 にてご精算をお願い致します。お薬が必要な方には、当院にてお薬をお出しいたします。(院外処方の場合もあり)

院内・設備のご案内

院内ご案内

受付

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ご不安な点、疑問点などお気軽に
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検査ルーム

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診察室

診察室診察室になります。

設備・検査機器のご案内

下記は当院内にあります主な設備・検査機器のご案内となります。
検査については下記以外に

  • 睡眠時無呼吸検査(自宅で行なえる簡易タイプです)
  • 24時間心電図(ホルター心電図)
  • レントゲン
  • 血液検査

なども行っております。

超音波装置(エコー)

超音波装置(エコー)超音波を使用し体内の臓器を評価する検査で一切痛みなどはありません。当院では心臓(心エコー)と頸動脈(頚動脈エコー)を中心に検査を行なっておりますが,その他さまざまな部分の検査も行なえます。
頸動脈エコーによる動脈硬化の評価を積極的に行なっています。

血管脈波検査装置

血管脈波検査装置四肢の血圧を同時に測定することで足の動脈の詰まりと血管の硬さの程度を評価します。この検査によって動脈硬化の程度をある程度推測することができます。

心電図

心電図心電図はとることよりもその判読が重要であり,当院では循環器専門医が判読しております。この機器を使用して階段負荷心電図検査(軽い運動をすることで心臓に負担をかけ狭心症を疑わすような心電図変化がでないかどうかを判断する検査)も同時に行えます。

スパイロメータ

スパイロメータ肺機能を測定する機器で,喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の状態の把握や診断に使用します。肺年齢の測定が可能です。

AED

AEDAED(自動体外式除細動器)とは心肺停止になった際に使用する治療機器であり,最近では街中でも設置されています。

電子カルテ

m3-digikar当院では電カルテ(M3 DigiKarエムスリーデジカル)を導入しております。これにより患者さんの医療情報を一元管理し、また診療から会計までの時間を極力短くしています。